ザ・ストラングラーズ・結成50周年記念ライヴ盤
「50イヤーズ・イン・ブラック~アニバーサリー・ツアー」
2024年12月5日・日本発売!

■ ザ・ストラングラーズ / 50イヤーズ・イン・ブラック~アニバーサリー・ツアー

レジェンド・オブ・パンク=ザ・ストラングラーズ、ついに結成50周年を迎えた2024年、英国・アイルランドツアーからベスト・プレイが選曲された2枚組ライヴアルバム。
「ノー・モア・ヒーローズ」「ピーチズ」「ゴールデン・ブラウン」などの大人気曲に加え、今回はセットリストの選曲にかなり冒険的な試みが見られる。アルバムはバンド史上最大の問題作とも言われる「メニンブラック」からのナンバーではじまり、長い間演奏されてこなかったナンバーも取り入れられている。
デビュー当時から最新のナンバーに至るまでの50年の歴史を辿ることができ、またそれぞれの曲には新しい息吹が吹き込まれている。2枚組豪華デジパック・全29曲の記念すべき永久保存版。

発売日 2024年12月5日

品番: ADCD0003   JANコード: 4582575500032

価格(税込): 3,300円  フォーマット: CD(デジパック仕様2枚組)
本製品は英国からの輸入盤です。CDとデジパックのカバーはバンドのオフィシャルサイトで販売されているものと同じです。

ライナーノート: 石井達也    (※歌詞対訳は付きません)

トラックリスト
DISC1: 1. ワルツ・イン・ブラック WALTZINBLACK 2. ナッシン・オン・アース JUST LIKE NOTHING ON EARTH 3. ハロー・トゥ・アワ・メン HALLOW TO OUR MEN 4レイヴン THE RAVEN 5. バロック・ボーデロ BAROQUE BORDELLO 6. ノース・ウインズ NORTH WINDS 7. ジェネティックス GENETIX 8. 街角のプリンセス PRINCESS OF THE STREETS 9. ブリーズ BREATHE 10. ハンギング・アラウンド HANGING AROUND 11. ダウン・イン・ザ・スーワー DOWN IN THE SEWER 12. フー・ウオンツ・ザ・ワールド WHO WANTS THE WORLD 13. デイゲナムの不幸なデイヴ DAGENHAM DAVE 14. ダッチェス DUCHESS 15. タイム・トウ・ダイ TIME TO DIE

DISC2: 1. 夜の曳航 SHIPS THAT PASS IN THE NIGHT 2. ピーチズ PEACHES 3. 暗黒の恐れ THREATENED 4. スキン・ディープ SKIN DEEP 5. オールウエイズ・ザ・サン ALWAYS THE SUN 6.ゴールデン・ブラウン GOLDEN BROWN 7. リレントレス RELENTLESS 8. 5ミニッツ 5 MINUTES 9. ロスト・コントロール LOST CONTROL 10. ホワイト・スタリオン WHITE STALLION 11. サムシング・ベター・チェンジ SOMETHING BETTER CHANGE 12. タンク TANK 13. ゴー・バディ・ゴー GO BUDDY GO 14. ノー・モア・ヒーローズ NO MORE NEROES

■メンバー
ジャン・ジャック・バーネル(Bass,Vocal) バズ・ワーンGuitar,Vocal)、ジム・マッコーリーDrums)、トビー・ハウンシャム(Keyboards)

■以下、石井達也さんによるライナーノートの冒頭部分を掲載いたします。
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結成40周年を記念して行なわれた「The Ruby Tour (ルビー・ツアー)」というアニヴァーサリー・ツアーは、それまでの彼らのキャリアを総括するものであった。セットリストは40年の活動のなかから幅広く選曲されており、そのバラエティに富んだ曲の数々はストラングラーズというバンドの豊かな音楽性を端的にあらわすガイドとしても見ることができるものだった。デビュー作『Rattus Norvegicus』から当時の最新作『Giants』まで、すべてのスタジオ・アルバムから1曲は必ず演奏されたセットリストのなかには、彼らが低迷していた1990年代の曲も含まれた。このツアーを除けば、2024年の現在まで20年以上演奏されていないそれらの曲をセレクトしたことは、まさしくこのツアーを特別なものにするための演出だったに違いない。リリースされたスタジオ・アルバムを網羅するセットリストは彼らの回想録のようなもので、それはバンドの40年史を”祝祭”として位置づける「ルビー・ツアー」の大きなテーマだったといえる。 そして、このツアーは、当時すでに体調に不安をかかえ、フルセットで演奏することができなくなっていたジェット・ブラックの健在ぶりをファンにしめす場にもなっていた。その日のジェットの体調によって、散発的にではあったが、数曲でドラムを叩く彼を見ることができたのはアニヴァーサリー・ライヴの意味を深めたといえるだろう。彼はこの後、演奏活動から退き、2年後に正式に引退を発表する。いまになって考えてみると、ひょっとするとこのツアーが彼の最後の演奏の場となるかもしれない、そんなことがバンドのなかで共有されていたのではないか。さらに、このツアーは彼らがジェットのために用意した花道であったのではないだろうか、そんな邪推さえもうまれてくる。というのも、ジェットとともに40周年を祝ったバンドは、その後、ジム・マコーリィに正式メンバーの地位を与えるのである。このツアーはジェットからジムへとメンバーが替わるセレモニーという側面もあったのだ。

そんな「ルビー・ツアー」から10年。その10年間でバンドにはさまざまな変革が起こった。ジェットの引退とジムの加入。ジムの参加後初となる意欲的なニュー・アルバムの制作。久しぶりの単独来日公演も日本のファンには大きな出来事だった。そしてバンドに最も大きなダメージを与える事件が続けて起こる。 バンド初期からマジカルなサウンドを構築してきたデイヴ・グリーンフィールドの逝去は衝撃的な出来事だった。ニュー・アルバムのレコーディングの途中で見舞われた訃報。彼らの悲嘆と失望は察するに余りあるが、バンドはこのアルバムを完成させることをミッションととらえ、がむしゃらに取り組んだという。そうして出来上がったアルバム『Dark Matters』は、近年のバンドの充実ぶりをしめす快作となった。結果としてデイヴの遺作となってしまったものの、ジムが参加してから初めてとなるこのアルバムは、新生ストラングラーズの勢いを強烈に感じさせる作品として結実した。ただ、これはその後のバンドの青写真ともなるような出来の意欲的な作品であっただけに、デイヴの喪失が彼らに与えたダメージはバンドの存続さえ危ぶまれるほど致命的なものだったはずだ。 奇しくも彼らは、毎春定期的に行なっていたUKツアーを自分たちの体力的な理由によりこの年で最後にすると発表していた。冬の終わりから夏の初めにかけて、毎年行なわれるUKツアーは彼らの恒例行事として定着していて、熱心なファンは彼らとともにイギリス中を周ることを当たり前のように繰り返していた。ライヴ・バンドとして活動してきた彼らにとって、ファンが待ち焦がれる定例のツアーをやめてしまうことは苦渋の決断であっただろう。のちにジャン=ジャック・バーネルが語ったところによると、”ツアーを減らしたのはデイヴの肉体的な負担を考えてのこと”だったそう。デイヴは亡くなる3〜4年前から体調面での不安が重大な問題となっていて、バンドはデイヴの回復を願うために毎年のUKツアーからの撤退を決めたというのだ。が、そんな決定のすぐ後にデイヴは体調を崩し、亡くなってしまうのである……。 そして、バンドを離れてもなおストラングラーズのオヤジ的存在であり、JJの精神的な拠り所でもあったジェットも亡くなってしまう。唯一人残されたオリジナル・メンバー、JJの心中はいかばかりのものであったろうか。ヒュー・コーンウェルが脱退したとき、彼はバンドの解散を考えていたという。ヒューなしのストラングラーズはあり得ない、と。ところがその判断にジェットとデイヴは反対し、二人の後押しでバンドは存続された。そのデイヴとジェットを相次いで失ったJJは、今度こそストラングラーズの終わりがきたことを感じたという。 ただ、デイヴとジェットが亡くなったとき、ジムが完全にフィットしたバンドは鉄壁の布陣となっていた。さらに、デイヴがいなくなっても彼らをサポートし続けるファンの熱意はJJの気持ちを動かした。ネガティヴな考えを振り払い、JJはストラングラーズを続けることを使命ととらえ、バンドの存続を決めるのである。

デイヴの演奏はあまりに特異で、唯一無二の存在であった。当然ながら、そのデイヴの代わりとなるキーボード奏者を見つけることは至難の業と思われた。が、しかし、バンドは適任といえるプレイヤーとすでに、知らず知らずのうちに出会っていたのだ。

ーーーーー ここから先は、CD同封のライナーノート専用の掲載部分となります。 ーーーーー


      
  

   
    
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