ザ・ストラングラーズ プロフィール
結成より40年以上の長きにわたって、絶大な支持を今も受け続けているバンド。1970年代後半のパンク・ムーブメントと同時期にデビュー・脚光を浴びる。
ジャン・ジャック・バーネルの重戦車のようなベース。ヒュー・コーンウエルのアグレッシヴなギター。ジェット・ブラックの重たく多彩なドラムス、デイヴ・グリーンフィールドのサイケデリックなキーボード。確かなテクニックに裏打ちされ、数多くのライヴをこなして鍛えられたサウンドは、同時代のパンク・バンド達とは明らかに一線を画している。
デビューアルバム「夜獣の館」はUAレーベルからリリース、UKチャート4位になり、パンク・バンド初のゴールドディスクを受賞。メロディ・メーカ-誌「ブライティスト・ホープ」に選出。続く「ノー・モア・ヒーローズ」、「ブラック&ホワイト」は共に全英2位まで上昇。この時期に活躍した多くのパンクバンドを遥かに上回る人気を博す。本国での人気は日本にも伝播、アルバムが数万枚単位でセールスをあげる異例の現象となる。1979年に2度の来日、攻撃的で波乱満載のステージは今でも語り草となっている。この時期「レイヴン」をリリース、全英4位を記録。
1980年代に入ると、サウンドはヨーロッパ的な耽美性と内面性を帯びたものへと変化する。「メニンブラック」「狂人館」とリリースされたアルバムは英国で、変わらぬ高い支持を受け続け、特にシングル「ゴールデン・ブラウン」が全英2位の大ヒットを記録する。「黒豹」のアルバムよりエピックへと移籍。続く「オーラル・スカラプチャーズ」より、ホーンセクションを導入した、独自の格調高い音世界を作り上げる。この路線は続く「夢幻」や「10」でも継承されていく。1990年ヒュー・コーンウエルが脱退。
新たなバンドメンバーとして、ギターにジョン・エリス、ヴォーカルにポール・ロバーツが加入、5人編成での再スタートとなる。1992年「イン・ザ・ナイト」をリリース、さらにこの年に13年ぶり、3度目の来日公演が実現した。この編成で、「アバウト・タイム」「リトゥン・イン・レッド」「クープ・ド・グラース」などのアルバムが発表される。2000年、ギターのジョン・エリスが脱退、後任として現メンバーであるバズ・ワーンが加入する。
2004年にリリースされた「ノーフォーク・コースト」は、初期の勢いを取り戻したサウンドで絶賛される。その後ヴォーカルのポールが脱退、ギターのバズがヴォーカルも担う4人編成に回帰。2006年リリース「スウイート・シックスティーン」は、ジャン・ジャック自らが、バンド史上の最高傑作と断言する、集大成のアルバムとなった。
2007年サマーソニックで14年ぶりの来日、さらに2010年でのPUNKSPRINGでも来日。2012年には「ジャイアンツ」をリリース。ジェットの体調問題により、ツアーでのドラムはジム・マッコーリーがメインに。2016年には、名作「ブラック&ホワイト」の完全再現ライヴツアーを敢行。この年、BBCのリクエスト特集”パンクロック ワールドカップ”トーナメントでは、ストラングラーズは決勝でクラッシュを破り、見事優勝。デビュー40年を超えてなお、その実力と人気は今も不動である。
リーダーのジャン・ジャック・バーネルは以前より、極真空手や三島由紀夫をリスペクトする親日家として知られる。現在、士道館空手英国支部の師範館長を務め7段の腕前である。