ストラングラーズ2019来日公演最終日は、11/3,4日のWWWからO-WESTに移動。まずは本番にさきがけて18時より、VIPサウンドチェックが行われた。

撮影の関するガイダンスの後、メンバーが入場、ジャン・ジャックが「コンバンハ!」とあいさつ。1曲目は”Time Was Once On My Side”。現時点での最新アルバム”Giants”からの曲だ。サウンドチェックとあってか、ややリラックスムードではあるものの、原曲よりアップテンポで、いまの4人ならではの重くタイトなアンサンブルが自然と滲み出た演奏だ。

続けては、このサウンドチェックの時だけ演奏された新曲”Water”。水の流れを連想させる浮遊感覚ある曲だが、扱われているテーマは重く、今世紀の中東情勢についての作品らしい。John RobbによるJJのインタビュー(注1)では、この曲はアラブの春(中東諸国で起きた大規模な反政府運動)についてのもの、とコメントされている。また「水」の大切さと、それが枯渇した時に何が起きるか、について歌われている、とのこと(残念ながら歌詞は聴き取れなかった)。

サウンドチェックの締めくくりは、初日のアンコールにも演奏された”Duchess”。JJは、この曲はパーティソングだとコメントしている。ショウの終わり近くで演奏すると楽しいし、何度演奏しても飽きることがない、と(注2)。いいムードで盛り上げ、本番への期待感がより一層高まってきた。

VIPSS撮影タイム~開演時間が近づき、お客さん達が大勢入場してくるにつれ、徐々に場内のムードが高まってきた。時折姿を見せるクルーに声援を飛ばしている人もいた。

さて、”Waltz In Black”が流れ、いよいよ今回の来日最終ライヴ開始だ!2階から見ていると、音楽に合わせ合唱、ウエーヴ、手拍子などがそこかしこで起こっているのが見て取れる。大歓声の中、再びJJ「コンバンハ!」とあいさつ。

オープニングは”The Raven”。前日と同じオープニングだが、よりハイテンションの演奏で会場の盛り上がりもすごい。JJが歌いだす前、イントロのキーボードに合わせ合唱まで起こっている。途中、デイヴの哀愁溢れるソロの後、バズがジムの方へ接近、アイコンタクトしながらのプレイとなる。そして感じたのは、この後あたりから演奏のテンションがより一層アップ。この夜、この曲だけでなく多くの曲で、途中から演奏のノリがさらに上がったと感じた。

余韻に浸る間もなく、続いての曲は”I’ve Been Wild”。アルバム「ノーフォーク・コースト」からの曲で、今年に入ってからセットリストの定番曲となっている。冒頭にサビを持ってくるなど若干構成面での変更があるがそれだけでなく、原曲よりもアップテンポでタイトに聴かせる。サビでは多くのお客さんが手を突き上げ歌っている。

さらに続けざまに”Grip”。イントロではJJがハイキックを一閃、会場は大ジャンプ大会ですごいことになっている。そして演奏は、あの初期のライヴアルバム”X-CERTS”を彷彿とさせるヴィヴィドなエナジーを感じる。
余談だが、昨年この来日企画を進めるにあたっての初期に、都内の主要ライヴハウスを色々見てまわった時期があった。その中にロケーションのよいハコがひとつあったのだが、なんとそこは「ジャンプ禁止」(階下に商業施設があるため)。当時、ジャンプ禁止でもなんとかならないかなあ?などと思ってしまったことがあったが、無理でしょ!ジャンプ禁止のストラングラーズはやっぱりあり得ない!

ここでバズが「Good Evening! コンバンハ!」とあいさつ。”Hello Everybody!”と会場内を見渡し、2階席の方を見上げ、髪の毛の魅力なお客さんを見つけたらしく”Good Hair!”とほめる。

続いては”Time To Die”。 1992年のアルバム”In The Night”のオープニング曲で映画「ブレードランナー」にインスパイアされた曲。ヴォーカル(語り)はJJで、アルバム収録時の演奏よりも、さらにブラッシュアップされている。「あれっ?これって新曲?」って思った方もいたんじゃないだろうか?

続いての”Nicen’Sleasy”、イントロのジムのドラムで大歓声起こる。これまた、”Black And White”原曲のヴィヴィドなエナジーを彷彿とさせる。中間部、変幻自在のデイヴのプレイ時、JJとバズが会場最前列に大接近して盛り上げる。

続く”Norfolk Coast”でバンドのエネルギーが一気に爆発する!アルペジオのイントロの直後、原曲にないタイミングで、ズシンと来るジムのフロアタムが入り、続けてのJJのベースがいっそう起爆力を増している。石井達也さんもこの演奏の爆発力に驚嘆しておられたが、自分も全く同感だ。21世紀新生ストラングラーズの幕開けを告げる同名アルバムのオープニング曲だが、春のUKツアーでは聴けなかった曲。今日あらためて、この曲を、ストラングラーズ史上に残る屈指の名曲であると認識した。

感動に浸る余韻もなく、すぐに”5 Minutes”へ。バスドラのキックで大きな手拍子が起きて、そこから大ジャンプ大会へ。この日2階席からメモをこまめに取りつつ見ていたのですが、本当に1階の熱狂ぶりがすごい!今回は西欧系の、特に英国からのお客さんが多く、またオートトラリアからも。日本のお客さん達と日英豪タッグで盛り上がっているのは、壮観で本当に嬉しい。JJのドスの利いたヴォーカルも、重戦車ベースも大健在。

“Unbroken”でも、ジムのタムドラムの迫力に圧倒される。ジェット・ブラックのアドバイスを受け、彼のエッセンスを吸収したジムは、さらにバンドに若さとエナジーアップをもたらした!JJとのリズムコンビネーションも恐ろしくタイト。そして、デイヴの稲妻キーボードの切れにも感嘆。

ここからムードは一変、ジムがワルツのリズムを刻み始め、ミラーボールが回る。いわずと知れた大ヒット曲”Golden Brown”のはじまりだ。JJ「チョー、アツイ」とつぶやきながらハンカチで顔を拭く。ヴォーカルはただ歌い上げればいいものではない難曲だが、バズの素晴らしさに関してはもはや何も言うことはない。ギターソロの時にはバズがJJに向かい大接近、チークキスを交わし、アヤシイ雰囲気が漂う・・・。

続いては、アルバム”Dreamtime”のオープニングを飾る名曲”Always The Sun”。美しく幻想的な原曲の良さ(歌詞はアイロニーに満ちているが)を生かしつつ、現ラインナップならではの、重心のしっかりしたリズムセクションがうまく融合されていたのが印象的だ。そしてムードを高めるデイヴのバックヴォーカルが素晴らしい。もちろんサビでは大合唱が起こっていた。

次の曲は、今回の日本ツアーではじめて演奏された”Newclear Device”ですが、いったんここでページを分けます。
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ストラングラーズ・ライヴレビュー パート2はこちら 
 
 
 
 
(注1)INTERVIEW! JJ Burnel on the Stranglers upcoming album/2019 tour and the band after Jet Black and much more By johnrobb November 21, 2018 より

(注2)ビートレグ誌vol.87 2007 ジャン・ジャック・バーネル インタビューより